2015年11月25日水曜日

ミュージカル「Matilda」を観に!!


シドニーでアートを楽しもう!

私たちの住んでいた黒姫とは対照的なノースシドニー。
ここに住んでいて楽しいことのひとつに、
ハイレベルのアートパフォーマンスに触れられることがある。

こちらに来てから、シルクドソレイユの「TOTEM」に始まり、
「王様と私」、「アイーダ」、「レ・ミゼラブル」と素人でも名の知れたオペラやミュージカル、
また、映画トワイライト・サガの俳優が主演のコメディ「The Dog The Cat」
(別居中夫婦の飼い猫が突然コトバを話し出すとんでもなく想定外のコメディ)を観たりと、
夫婦ふたり、または仲良くしているクラスメートカップルと出かけたりと
勉学とは別にシドニーライフを存分に楽しませてもらっている。

これらのパフォーマンスが行われるオペラハウスCapitol Theatreは、
建物のデザインも特徴があるので建築好きなら内側からディテールを観るだけでも
かなり良い刺激になるのではないだろうか。

ミュージカルMatilda!

レ・ミゼラブルでかなりミュージカルの迫力のとりこになってしまい、
今回は、MBA最後の試験終了祝いということで、
翌日、ミュージカル「Matilda」を観に行った。



こちらは、Theatre Lyricというダーリンハーバーのカジノ施設に併設した
新しいコンプレックスで公開していたのだが、
私たちの住むノースシドニーからはフェリーに乗り、次の船着場で降りれば良い。

会場に着くと多くの子ども連れ家族が来ていた。
「しまった!選択を間違ったかな・・・」と私。

今回のミュージカルは、マチルダという小学1年生の女の子が
不幸な家庭環境や学校のルールに果敢に立ち向かう話。

「子ども向けか?」と一瞬思ったが、ふたを開ければ全くそんなことはなく、
むしろ、子ども達に全体のテーマが伝わっただろうか?と思うほど
なかなか深くて、面白い話だった。

ストーリーラインだけ追っていれば、普通に面白かったで済むと思うが・・・
私なりにハイライトを考えてみると・・・次のようなことが心に残った。

子ども達を、社会に適応できていない不完全なNuggets
(KFCのあのチキンナゲットように小さな塊という意味)
といって子ども達をルールでがんじがらめにする男勝りの女性Principal(校長)。
中身より見た目が大切と言い張って、読書好きで賢いマチルダの本質に気づかない両親。

そんな中、内気で自分に自信のない先生が、
マチルダの才能に気づいて伸ばそうとするひたむきな心。

ステレオタイプ的な型にはめたがる大人たちに
クリエイティブでちょっと茶目っ気ある戦略で
カウンター攻撃する子ども達の姿が活き活きと描かれていて
大人になっても失ってはいけないものを
子ども達から教えられる、というところが見所だったのではないかなと。



英語習得を超えること

もう一つミュージカルのよい所は、役者さんがはっきりと英語を発音しているので
リスニング強化にもってこいだというところだ。
特に日本人は、私も含めだが、いきなりアカデミック英語に行ってしまい
ジェネラル(一般的な)英語が使いこなせない。

このギャップを埋めるためにも、学校以外の環境で
英語を使う方法を自分なりに創りださなければ上達しない。

今回の公演を観て、最初こちらに来たてのころよりも
はるかにヒヤリングが良くなっているのがわかった。
ジョークを聴いて、まわりの観客と同じところでわっはっはと
笑えるようになると、単に「英語を聴くこと」を超えて、
そのコトバのコミュニティにどっぷりと浸かってる感があって
日本ではなかなか味わえない感覚がある。
実践英語は、こういう感覚を味わいながら、
頭で覚えるのではなく身体で習得するものだ。

Education kills creativity

Matildaを観ていて、ふと思い出したのが、
Ted Talkで今の教育は子どもの
クリエイティビティ(創造性)をないがしろにしているという
サー・ケン・ロビンソンの話。彼の主張は、読み書きを教えるのと同じくらい
子どもの芸術センスやクリエイティビティに重きを置くべきだということなのだが、
そのなかでのエピソードが面白い。

5歳くらい(記憶が定かではないが)の子が絵を描いていて、
先生が「何を描いているの?」
とその子に聴いたところ、「神様の絵を描いているんだ」と。
それに対して先生は真面目な顔をして、
「でも私たちは神様にあったことさえないのだから、どんなかわからないはずでしょ?」
そうしたら、その子はそっけなく
「You would know in a minute! (もうあとちょっとで、どんなんかわかるよ!)」
と返されたそうだ。
彼が今描いているのがそのまぎれもない「神様」だから。


これを聴くと大笑い。
どこでこの無限に広がるイマジネーションの世界に
狭い囲いをつけてしまったのだろうとおもってしまう。
知らず知らずに自分で自分を狭い囲いのなかに閉じ込めてはいないだろうか?



2015年11月23日月曜日

MBA 最後のExam!!

ウーロンゴンで最後のExamを受ける

先週の土曜日、最後の試験が終わり、これでMBA 全てのタスクが終了した。

最後の試験は、シドニーではなく、
シドニー・ビジネス・スクールの本校があるウーロンゴンで行われた。
ウーロンゴンは、シドニーから電車で1時間40分ほど南下したところにある。
なぜシドニー・ビジネス・スクールなのにウーロンゴンなのか。
私の通っているキャンパスは、ウーロンゴン大の分校のようなもので
要はウーロンゴン大シドニー校と言うよりも、
シドニー・ビジネス・スクールと言ったほうが知名度、
ブランド力があがるからこの名前で運用されているのだ。

他にもシドニー大のThe University of Sydney Business Schoolがあったり、
シドニーと名の付くビジネススクールが、3つくらいあるので紛らわしい。
シドニー大は、とても有名でランク的にも高い大学なので、目指す方も多いと思うが、
ウーロンゴン大というと、ちょっと田舎の大学というイメージがシドニーアンにはあるらしい。

だから、私のいるシドニー・ビジネス・スクール(ウーロンゴン大シドニー校)は、
オージーは比較的少なく、インド、中国、その他東南アジアなどからの留学生が多い。

シドニー・ビジネス・スクールの難点は?

立地とアクセスの良さ(妻の仕事場から近いなど)、予算、そしてGMATが必要ないなど
入学にかかる費用や労力を必要最低限に考えたうえで、こちらのMBAに決めたのだが、
学生に対するフォロー体制や授業の規模、科目のコンテンツにはとても満足しているのだが、
ひとつだけ難点をあげるとすれば、科目をとるタイミングによっては、
シドニー校だけでうまく履修できないということだ。

どういうことかというと、ウーロンゴン大でも同じMBAコースが行われているのだが、
履修科目によって履修する予定の生徒が少ない場合は、
ウーロンゴンに行って同じ科目を取りなさい、となってしまう。

通常、同じ講師がウーロンゴン校とシドニー校の同じ科目を掛け持ちして
週に行ったり来たりするのだが、予算の関係上2か所で行われる同じ授業を
ひとつにしてしまえ!という事態が、科目によってはあるということだ。
(私の場合、シドニー在住の教授は、12科目中2科目だけ)

3学期目までは、なんとかスムーズにシドニー校で科目を履修出来ていたのだが、
最後の4学期目でどうしても一科目だけウーロンゴンに
行かなければならない状況になってしまった。

授業の形態はインテンシブだったので、5日間(金曜、土曜)だけ行けばよかったのだが、
この5日間のうち実に4日間ともにTrack Work(路線メンテナンスで全線不通になる)
ひっかかってしまうという最悪な自体に遭遇。

しかも電車が普通に利用できた唯一の日は、
通学途中に信号機の故障で30分立往生で、授業に遅れてしまった・・・


辛口な批評をさせてもらうと・・・

あるクラスメートは、ファイナンスの科目をシドニー校の講師が厳しいらしいということで、
わざわざウーロンゴンまで行って受けに行ったりしていたが、私としては、
ウーロンゴンとは全く関係なく、シドニーで全てが履修できると思っていたので、
正直、最後の最後で肩透かしに食らったような気持だった。

1科目30万円以上の授業料を払っているのだから、
顧客に対して滞りないサービスを提供するのが本筋ではないだろうか。
それができなければ、最初から入学前に
「シドニー校だけでは、サービスを提供できないかもしれませんが、
それでもよろしいですか?」と断りをいれるべきだ。

ビジネス・スクールのわりには、このあたりの詰めが甘く、
ブランドイメージだけ優先させて、少しウーロンゴンに頼り過ぎている感は否めなかった。

シドニーでMBAを考えるとき、シドニービジネススクールは、
ウーロンゴン大に頼り過ぎていることだけが、大きな弱点ではないだろうか。
それ以外のスタッフサポートやコンテンツは、素晴らしいのでシドニー校ではなく、
ウーロンゴン大で直接受けることをお勧めする。

再びExamの話へ

ということで最後はウーロンゴンの体育館で何百人もが
他の科目の試験を受けるべく集まる中でのExamだった。
最初に受けた試験から比べれば、かなり自分の言いたいこともスラスラと
出てくるなという感じで、ライティングに関してはだいぶ成長したなと感じた。

Examでは結局、3時間で書けることも限られているので、
最低限で理解しているということを伝えることに専念して、
あまりあれもこれも書かないようにしている。
いかにExamでよくできたかが重要なのではなく、その科目の内容を
実際のビジネスにどう活かしていくかが見えたかどうか?
その科目に対してどのような学び方をしたか?が重要なので、
いつもあまりExamにはモチベーションを感じていないし、
最低限満たせばいいくらいにしか思っていない。

試験時間は3時間あるのだが、ほとんどの生徒が30分前に終了して、
先に帰ってしまっていた。
私のようにライティングが遅い者は最後まで残らなければならない。
結局最後に残った知り合いに最後の別れを告げ、帰りの電車に飛び乗った。

この日は土曜だったので、妻とノースシドニー駅で待ち合わせて、
遅いランチを外で食べることに。

「終わっちゃったなー。。。」
「クラスメートは、ヒャーやっと今日で勉強から解放されるって喜んでたよ。」
と私。

「はははははっ!そんな寂しがってるのは、あなた一人だけなんじゃないの?」
と妻に大笑いされてしまった。

確かに。。。





2015年11月10日火曜日

ニューロサイエンスで仕事の能率を上げる方法!!

間違いだらけのタイム・マネジメント

日々の仕事の中で、今日こそはこの重要なタスクを終わらせなければと
手をつけ始めたのは良いが、なかなか集中できななくて、
エンジンがかからないことはないだろうか?

こんなとき良くやるのは、to do listをつくって
優先順位を決めて、順位の高いものから始める方法などがあると思うが、
次から次へと飛び込んでくるメールが気になって
緊急なメールや部下からの相談、報告などに対応していたら、
いつの間にか最優先の仕事がまだ手つかずのまま。

それでも次から次とタスクの依頼が飛び込んできて
to do listは一向に減るどころか、増えていく一方。

それなら・・・と「隙間」時間を見つけて、
さらに緻密なタイム・マネージメントをしましょうと、
「時間」をうまくやりくりする方法は、ビジネス書の棚に多く並んでいるが、
果たしてほんとに役にたっているのだろうか?

ニューロサイエンスという新しいアプローチ

どんなに上手にそれぞれのタスクを時間で割り振っても、
人はマシンのように常に効率良く働けるわけではない。

一番効率が悪い時間に、一番生産性を要求されるようなタスクを割り振っても
さらに時間がかかってしまい、逆効果になってしまう。

仕事では、常に複雑な意思決定を行っている。
毎日同じようなルーチンであれば、
そんなに意識を集中しなくてもできる仕事もあるだろうが、
特に目まぐるしく変化するビジネス環境の中で状況を読み取って、分析したり、
これから先の計画や、商品・サービスの開発などクリエイティブな仕事は非常に複雑で
骨の折れる仕事ではないだろうか。

これらの意思決定に欠かせないのが、皆さんの「脳みそ」だ。

重量は体重のほぼ2%なのに、エネルギー消費は体全体の20%を消費している。
非常に燃費の悪い器官なので、歯を磨いたり、服を着替えたりなどの単純作業は、
「オートパイロット機能」に切り替わり、エネルギー消費を控えるようになっている。

ニューロサイエンティストによると、特に複雑な意思決定にはエネルギー消費の高い
大脳が活発に関わるので、使った後にはメンタル疲労が起きるそうだ。

これらの脳を働かせる燃料・メンタルエネルギーの量は限られている。

特にプロフェッショナルやエクザキュティブの行うような複雑な意思決定は、
このメンタルエネルギーを多量に消費し、
少なくなれば、メンタル疲労を起こし効率が下がる。

効率の下がった状態でもタイム・マネジメントの場合、
隙間時間にメールの処理などの
余計メンタルエネルギーが必要になる仕事を組み入れたりして、
残されたエネルギー量に見合ったタスクの振り分けができていないので、
最終的には不効率な仕事配分になっている。

そこで、ニューロサイエンスが進めるのは、タイム・マネジメントならぬ、
Cognitive Management=知的マネジメントだ。


Cognitive Management(知的マネジメント)とは?

知的マネジメントでは、
一日の中で自分のバイオリズムを認識し、
限られたメンタルエネルギーの使い道を意識的に分配することで、
効率的かつ生産性の高い仕事をできるようにする。

一日のすべての時間をフルに稼働するのは無理なので、
一日の仕事の中で最高の2時間を意識して創りだし、
この二時間に一番メンタルエネルギーが必要なタスクを持ってこようというのが、戦略だ。
今回は、3つのストラテジーをご紹介しよう。

1)メンタルエネルギーの消費レベルを知ろう!

Level 1:簡単なタスク

* メールチェック
* 一人と面談のアポを取る


Level 2:ちょっと複雑なタスク

* メールに返答する
* 数人とのミーティングを手配する
* 新しい思考をあまり必要としないプロジェクト


Level 3: 難しいタスク

* 新しいデータの分析
* 人事評価
* クリエイティブなタスク
* 新しい思考を必要とするプロジェクト


2)メンタルエネルギーの配分と消費タイミングを考える

例えば、重要なプレゼンや難しいタスクを行う前に、ちょっと時間があるからと
メールに返答しているとそれだけで、メンタル疲労が増すことを理解してもらいたい。

また、比較的エネルギーのある午前中にLevel 3の仕事をまわす。

特に難しい分析的な仕事は、午前中におこなう。
分析的な仕事は、まわりが片付いているほうが効率が良くなるので、
始める前にまわりを整理整頓する。

Level 3に取り掛かる前に、メールをみたり、返答したり、
ネットでニュースを読んだりするのもエネルギーを無駄遣いするのでやらないこと。

クリエイティブな仕事は、少し思考がドリフトするような状態のほうが
良いアイデアが浮かぶので、昼過ぎの眠たい時間、午後一番のほうが良い。



3)マルチ・タスクはやらない

Level 3の時には、他からの邪魔が入らないような環境をつくる。

途中で部下や同僚などに話しかけられたり、
音楽を聴くのも効率が下がるというリサーチがある。

メールの着信音やポップアップも効率を下げる原因なので、本当に重要なタスクの場合には・・・

メールを閉じる、
静かな場所に行く(自分のデスクで無理なら、会議室など)、
モノタスク(単一作業)にする。

よくマルチタスクが得意だといって自慢しながらやっている人がいるが、
あれは、別々のタスクをそれぞれ中断して交互に行っているだけだ。

ひとつのタスクを集中して行い、終わったら別のタスクをやった方が断然効率が良い。

試しに、右手で右から水平線を書きながら、左手で1,2,3と番号を書いてみたらどうか?
あるリサーチ結果で、両方別々にやった方が早く終わることが証明されている。

マルチタスキングは、仕事の能率に一番重要な「集中すること」を妨げる作用があるので、
絶対に行わないこと。

脳科学的にもマルチタスクでは、
新しいことを学んでも長期的記憶として定着しないことが証明されている。







※次回は、まわりの環境や食べ物、身体の使い方と仕事の能率を考えてみたい。


参考文献

Davis, J. (2015), Two Awesome Hours: Science-based Strategies to Harness Your Best Time and Get Your Most Important Work Done, Harper Collins.