2015年12月29日火曜日

ニューロサイエンスで更に仕事の能率をあげる方法!!! 



前回のニューロサイエンスで仕事の能率をあげる方法
引き続き、今回は身体やまわりの環境から考えてみたい。

オージーのエクササイズ嗜好

オーストラリアに来て驚いたことのひとつに
ランニングや個人トレーナーをつけてエクササイズをしている人が多いことだ。

あるとき個人トレーナーをつけているオーストラリア人女性に
なぜそんなにエクササイズが流行っているのか?と聞いてみたことがある。

「オージーはfat(脂身)をたくさん食べるから、その分余計に運動しないとダメなのよ」
と半分冗談を言いながら話していたが、確かにレストランなどで出てくる量をみてると
それも本当なのかなと思うことがある。

エクササイズでもうひとつ面白いなと思ったのは、
昼休みに会社の同僚たちが集まってエクササイズをしていることだ。
私たち夫婦の住むノースシドニーは、大きなの企業が集まるビジネス街なのだが、
昼間に歩いていると、運動着に着替えた集団がランニングをしているところを良く見かける。

アメリカ人に知り合いにこの話をしたら、
「なんでわざわざ昼休みに運動するのか理解に苦しむ」といっていたが、
私も「そうだその通りだ!」とつい最近まで思っていた。


身体と心を整える

オージー達の昼間のエクササイズの真意は「身体の健康」にあるのだと思うが、
実は、仕事の能率をあげる上で、エクササイズは重要な役割を担っている。

心拍数をフルにあげるのではなく、フル稼働から6割程度の運動を20分やるだけで、
集中力が増し、複雑なタスクをやり遂げるための自己コントロール機能が鋭敏になるそうだ。

特に運動後、心拍数が正常にもどったところから
知的労働に欠かせない集中力や自己コントロール機能が活発になるので、
例えば重要なプロジェクトの立案や複雑な意思決定を伴う会議の前に
ちょっと外に出てウォーキングをして帰ってくるだけで、
そのあとの仕事の能率をあげることができるというわけだ。

さらに、マイルドなエクササイズは緊張を和らげる効果もあるので、
重要なプレゼンの前にも効果がある。

自分の極限に挑戦するような運動を昼休みにやれば、
それだけで身体もメンタルエネルギーも使い切ってしまうので
おススメできないが、重要な仕事の前のマイルドな運動は、かなり効果がある。

エクササイズと仕事の効率


私の場合、仕事ではないのだが、
学校で出された論文の構想やリサーチでかなり複雑な分析や思考を必要とする部分を、
比較的メンタルエネルギーのある午前中のタスクとして持っていき、
自宅でやるのではなく、あえて歩いて20分かかる図書館に行ってやることにしていた。

図書館までの道のりが緩やかな上り坂なので、
着くころにはかすかに汗ばむ程度の状態になっている。
確かにそのあとの集中力はなかなかのもので、
リサーチしたペーパーや教科書の予習なども非常に効率的にこなすことができた。


カフェインの威力

続けて図書館での話になるが、
こちらの図書館にはカフェが1階のテラスに併設されていて、
館内にも持ち込みが可となっている。

図書館に行って勉強するもうひとつの愉しみは、
実はこのカフェで珈琲を買って、いつもの場所で珈琲を飲みながらタスクに取り掛かることだ。

実は、このカフェインも仕事の効率をあげるのに大きな役割がある。
こちらは毎日習慣としてカフェインを摂取している方に限るが、
珈琲一杯か二杯くらいであれば、摂取後30分後ぐらいから脳が活性化するので、
その日どのようなタスクをやるかによって
タイミングを計って飲むのもひとつの方策かもしれない。

ただ、疲れているからと言って普段以上のカフェインを摂取しても
効果が持続するわけではないので、取り過ぎに注意したい。


注意をそらす環境を避ける


図書館にいると静かで誰にも邪魔されないというのも知的生産性に大きく寄与している。

たまにシドニーCBDの学校に行って勉強することもあったのだが、
あそこに行くと必ずと言っていいほど、クラスメートから声をかけられて、
集中を妨げられるので、最終的に学校で重要なタスクをするのはやめた。
社交にはいいかもしれないが、仕事の生産性をあげるには、
誰にも邪魔されず静かな場所が一番だ。

前回のマルチタスキングのところでも述べたが、
集中を断続的にそがれると学びに必要な脳神経同士の
新しいネットワークの形成が妨げられ
複雑な状況に対する臨機応変な対応もできなくなる。

静かで誰にも邪魔されない状況をつくるのが難しければ、
場所をかえる、ノイズカッターなどのヘッドフォンを使うなど
工夫してみるとよいのではないか。

邪魔は何も物理的なものに限らない。
メールの新着お知らせなども知的活動を妨げる。
例えば会議中に携帯をオンにしてポケットにしまっているだけでも、
誰かから急ぎのメールが来ていないだろうかとバックグラウンドで考えてしまうので、
それだけでIQを15ポイントもおとしてしまっているというリサーチ結果もあるくらいだ。


机の上の混乱は、心を乱す

机のうえの散らかり具合もまた、仕事の効率に関係してくるのをご存知だろうか。

机にあるのは、それぞれやりかけのタスクやら、いつかやらなければないタスク、
時間があれば読もうと思っている記事の切り抜きなど
それぞれのものが雑多に目の前にあると、そのたびに注意を削がれてしまう。

特にメンタルエネルギーが消耗されて疲れてくると集中力がなくなり、
机に転がるこれらのタスクに注意が移ってしまう。
集中力を持続させるのは脳にとってとてもエネルギーのいる作業なので、
この作業に移る前に必ずまわりを片付けること。


Power of Posture

最後に大きい仕事の前にどうしてもモチベーションが上がらない、
または、プレゼン前で緊張するなどネガティブな感情が出てきた時には、
エキスパンシブ・ポーズといわれる姿勢を二分間やることをおススメする。

手を腰にあてて顎をあげて偉そうな人のポーズを真似てみるだけでよいのだが、
このようなポーズをまねするだけで、ストレスホルモンのコルチゾールが減少し、
男性ホルモンのテストステロンの分泌が増えるそうだ。

結果としてポジティブな心理状態になり、仕事のパフォーマンスにもプラスに作用する。

Ted Talkで「姿勢の威力(Power of Posture)」について大変興味深い研究の話がでているので
こちら是非参考にされたい。

"Your Body Language Shapes Who You Are"



まとめ


  • 20分程度のマイルドなエクササイズは、緊張を和らげ、集中力を増す効果があるので、重要なタスクの前に行うのが効果的



  • カフェインを常用している方には、摂取後30分で脳の機能が鋭敏になるので、戦略的に飲むタイミングを考えたい。ただ、取り過ぎは効果なし。



  • 重要な仕事(分析的な仕事、複雑な意思決定)の前には、机のまわりを片付ける。注意を妨げるノイズやメール、ひとの気配などできるだけ避ける。(クリエイティブな仕事の場合を除く)



  • 仕事の前に2分間だけ「支配者のポーズ」をやってポジティブなマインドセットを創りだそう!
参考文献

Davis, J. (2015), Two Awesome Hours: Science-based Strategies to Harness Your Best Time and Get Your Most Important Work Done, Harper Collins.